いやしけ吉事
¥88,000 税込
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一年を巡るその最初の歌。
お正月に掛ける歌。
だとしたら、この歌しかないと思いました。
新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事
新 年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰
(あらたしきとしのはじめのはつはるの
けふふるゆきのいやしけよごと)
〔#大伴家持 #萬葉集 巻第二十 4516〕
新しき年のその初めの初春の今日この元日に降る雪の、
いよいよ積もり重なれ、よき事よ。
巻二十の最終歌。
それはすなわち『万葉集』全4516首の最後を飾る歌。
実は大学時代、二十世紀最大の個人全注釈と言われる
伊藤博『萬葉集釈注』の校正をするゼミの
末席に加えていただいていた時に、
まさにこの巻二十を扱っていました。
校正という地道な作業を通じて教わった事が
どれほど大きかったかを、今になって思います。
そんな思い入れの強い歌だからこそ、
“我”を排して
清らかに書きたいと思いました。
何か大きなものに敬意を払い
“我”を排して
それでも仄かに残るようなものがあるとすれば
それが“個性”なのだと思うからです。
年の初めの元日の
何もかもが新しく始まる
その時に降る雪のような、
そんな作品にできたら。
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形式はクラシカルに短冊を選びました。
古筆のような薄ベージュの紙でありながら
小さな雪のような煌めきがある紙です。
表具には雪のようにも見える丸い抽象柄の着物生地を。
見つけた時に
「あ、あの歌のためだわ」
と感じた生地です。
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