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桐箱(掛軸用)
¥5,500
作品に桐箱(箱書き)が必要な方は こちらも一緒にお買い求めください。 ※作品は通常、化粧箱に入っております。 ※桐箱のみの販売はお受けしておりません。
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いやしけ吉事
¥88,000
SOLD OUT
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 一年を巡るその最初の歌。 お正月に掛ける歌。 だとしたら、この歌しかないと思いました。 新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事 新 年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰 (あらたしきとしのはじめのはつはるの けふふるゆきのいやしけよごと) 〔#大伴家持 #萬葉集 巻第二十 4516〕 新しき年のその初めの初春の今日この元日に降る雪の、 いよいよ積もり重なれ、よき事よ。 巻二十の最終歌。 それはすなわち『万葉集』全4516首の最後を飾る歌。 実は大学時代、二十世紀最大の個人全注釈と言われる 伊藤博『萬葉集釈注』の校正をするゼミの 末席に加えていただいていた時に、 まさにこの巻二十を扱っていました。 校正という地道な作業を通じて教わった事が どれほど大きかったかを、今になって思います。 そんな思い入れの強い歌だからこそ、 “我”を排して 清らかに書きたいと思いました。 何か大きなものに敬意を払い “我”を排して それでも仄かに残るようなものがあるとすれば それが“個性”なのだと思うからです。 年の初めの元日の 何もかもが新しく始まる その時に降る雪のような、 そんな作品にできたら。 _ 形式はクラシカルに短冊を選びました。 古筆のような薄ベージュの紙でありながら 小さな雪のような煌めきがある紙です。 表具には雪のようにも見える丸い抽象柄の着物生地を。 見つけた時に 「あ、あの歌のためだわ」 と感じた生地です。
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雪〈一〉
¥88,000
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 上の雪 さむかろな。 つめたい月がさしていて。 下の雪 重かろな。 何百人ものせていて。 中の雪 さみしかろな。 空も地面もみえないで。 (金子みすゞ「積もった雪」) 対象物へのまなざしがこれほど優しい詩人がい るでしょうか。 童謡のように平易な言葉で、少し切なく響く雪 の詩。 凍えるような雪の日にも、優しい気持ちになれ る詩です。 積もった雪を上、下、中の三つに分けた詩のフ レーズに合わせて 本紙を三枚に分け、積み重ねるように配置し 素朴な雰囲気でしたためました。 表具には遠孫織布さんの生地を用いました。 キラキラとシルバーの織模様が雪のようで印象 的な布地です。
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雪〈二〉
¥88,000
SOLD OUT
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ ※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 上の雪 さむかろな。 つめたい月がさしていて。 下の雪 重かろな。 何百人ものせていて。 中の雪 さみしかろな。 空も地面もみえないで。 (金子みすゞ「積もった雪」) 対象物へのまなざしがこれほど優しい詩人がい るでしょうか。 童謡のように平易な言葉で、少し切なく響く雪 の詩。 凍えるような雪の日にも、優しい気持ちになれ る詩です。 積もった雪を上、下、中の三つに分けた詩のフ レーズに合わせて 本紙を三枚に分け、積み重ねるように配置し 散らし書き風にしたためました。 表具には遠孫織布さんの生地を用いました。 キラキラとシルバーの織模様が雪のようで印象 的な布地です。
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ひなの日
¥88,000
SOLD OUT
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ ひなの日や蔵から都遷しあり (横井也有) 蔵から出してお雛様を飾るのではなく お雛様が蔵から都を遷して来られたのだ、と この句は言います。 俳句で擬人法を使うのはとても気をつけなく てはいけないけれど この句は何と雅やかに何と楽しく仕上げたこ とでしょう。 その昔の宮廷を思い お雛様の表情が一層美しく感じられるような 一句。 雛道具のひとつでもある、貝桶の柄の生地で 表具しました。 宮中の結婚式を模したというひな人形ととも に掛けても似合うような 生地の格、表具の形式を選びました。
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菫
¥88,000
SOLD OUT
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 菫程な小さき人に生まれたし (夏目漱石) 春になると道のほとりに小さな紫色の花を見 つけることがあります。 少し俯き加減で、そっと咲いている花。 菫ほどの小さな人になりたい。 春の陽気の中で その陽気に浮き立つ様子でもなくそっと呟く ようなこの句。 何かしら愛おしく掌にそっと包みたいような 一句。 紫色の小花柄の生地を選び取り、日向のよう に丸く本紙を囲みました
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笹ちまき
¥88,000
SOLD OUT
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ ひたすらに這ふ子おもふや笹ちまき (芥川龍之介) _ ひたすらに、の言葉に強く惹かれるものがあ りました。 まさにそうだと頷きました。 愛らしく力いっぱい進む小さな命。 すっと緑の刷毛目を引いた料紙が呼ばれるよ うに箪笥から出てきました。 この句なら、この紙なら、横長に使おう。 小さな子が這うように。 表具には竹間道の生地を選びました。 竹が真っすぐ伸びるように子どものすこやか な成長を願って。
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あぢさゐ
¥88,000
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 昔から好きな詩で何度か作品にしていますが もう一度書いてみたくなりました。 もう少ししっとりと、 もう少し哀しく、 もう少し優しく。 _ こころをばなににたとへん こころはあぢさゐの花 ももいろに咲く日はあれど うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて (萩原朔太郎) _____ 薄紫の紙を短冊状にして 2枚並べた構成にしました。 台紙にはしっとりとした雨の景色を思わせる料紙を。 表具生地も雨の気配を感じるものを選び取りました。 本紙からだんだんと奥行きを作るように 仕立ててあります。
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七月七日
¥88,000
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 万葉集巻第十に “七夕歌群”と呼ばれる歌々があります。 秋雑歌「七夕」という部立で 「柿本人麻呂歌集」所出38首と、 出典未詳歌60首の、計98首。 “柿本朝臣人麻呂歌集に出づ”という歌の中から 二人展のタイトルでもある 「一年(ひととせ)」で 始まる歌を書きました。 形式はもちろん、七夕にちなんで短冊。 キラキラと箔の散りばめられた 天の川のような料紙を選び取りました。 万葉の頃にはすでに多く歌にも読まれる 七夕伝説ですから クラシカルな雰囲気に仕上げたくて 伝統的な短冊の形式に。 三つ折り半字がかり の二行書きです。 _ 一年に七日の夜のみ逢ふ人の戀も過ぎねば夜は更けゆくも (ひととせになぬかのよのみあふひとの こひもすぎねばよはふけゆくも) (柿本人麻呂歌集) 一年のうち七月七日の夜だけ逢う人の、 恋の苦しさも過ぎぬうちに、 夜はいたずらに更けてゆく。
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海の響
¥88,000
SOLD OUT
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 私の耳は貝のから 海の響を懐かしむ (ジャンコクトー「耳」堀口大学『月下の一眼』) 聴覚で感じる海は 視覚で感じる海よりも時に鮮やかであるか もしれません。 たった二行のこの短い訳詩が、多くの人の 心を捉えてきました。 海を思わせる深いブルーの料紙にしたため 、 濃い色の料紙に映えるよう印は本金を施し ました。 表具生地には《音の絵》さんのレース生地 を選びました。 海の音を連れてくるような美しい生地です。
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花はちす
¥88,000
SOLD OUT
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 花はちす雀をとめてたわみけり (芥川龍之介) _ 龍之介の「花はちす」というと、連想して しまうのが『蜘蛛の糸』。 極楽の蓮池のほとりを散歩していたお釈迦 様が、地獄に落ちた 犍陀多の善行を思い出し、蜘蛛の糸を下ろ してやる。しかし、 犍陀多の無慈悲な言動で蜘蛛の糸は切れて しまうという、あの話。 小説の最後にはこんなフレーズが登場しま す。 「しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな 事には頓着致しません。」 地獄の様子に一切頓着しない蓮の花が、小 さな小さな雀でたわむのです。 濃色の紙に、白の文字で蓮の葉のように構 成しました。 表具には蓮の柄の生地を。夏の室礼にも、 お盆や仏事に掛けても。
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宵闇
¥88,000
SOLD OUT
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 宵闇や薄に月のいづる音 (正岡子規) _ 宵闇とは、宵の頃の月のまだ出ない暗さの こと。 十五夜を過ぎると月の出が遅くなり、宵の 暗さが深くなるのです。 この句の要は「音」。 月の出に本当に「音」があるわけではない ですが 宵闇の中で突然に薄から月が顔を出すコン トラストの強さ、 それにはっとする様子が「音」という一文 字で感じられます。 宵闇をイメージした深い紫の紙を選び取り 、ごく細い金を施して 月という文字を紙面上部に配置しました。 落款印も金で。 宵の空を彷彿とさせる、紫色の雲の生地を 取り合わせました。
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果物
¥88,000
SOLD OUT
※桐箱(箱書き)が必要な方は作品とご一緒にお求めください。(通常は化粧箱に入っています) ※収益の一部を日本赤十字社への寄付とさせていただきます。 ___ 秋になると 果物はなにもかも忘れてしまつて うつとりと実つてゆくらしい (八木重吉「果物」『貧しき信徒』) _ 凍てつくような極寒の日も 焦げつくような灼熱の日も 地を穿つような豪雨の日も 空気を引き裂くような雷の日も そんな日々があったことすら 忘れてしまったような ふっくらと 豊かで 艶やかな実り。 この詩の凄さは 「なにもかも忘れてしまつて」 というそのフレーズ。 ああ、私も そんなふうに実っていきたい。 _____ 秋になると 果物はなにもかも忘れてしまつて うつとりと実のつてゆくらしい (「果物」八木重吉『貧しき信徒』) _____ 秋色の雁皮紙を使って 両掌ほどの小さな作品にしました。
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軸作品「朧月夜」
¥77,000
「菜の花畑に入日薄れ」
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軸作品「いちめんのなのはな」
¥88,000
SOLD OUT
いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな かすかなるむぎぶえ いちめんのなのはな (山村暮鳥「風景 純銀もざいく」